この度は「SAUNA RESET Pint」オープンおめでとうございます。施設の概要と、オープンの経緯を教えてください。
有難うございます。「SAUNA RESET Pint」は地上9階建ての予約制個室サウナ施設です。個室サウナ施設としては、現段階で日本最大級です。「ココロとカラダをリセットする」をコンセプトに、男女それぞれの専用サウナフロアと、さまざまなセルフケアサービスを体験できるフロアを設けました。運営会社の株式会社レーサムは、不動産事業を営んでいます。土地や物件に焦点を当てるだけでなく、その町や地域全体にとっても有益なサービスを展開したいと常日頃考えていくうちに、「浅草」と「サウナ」がキーワードとして上がりました。浅草は、日本でもさまざまなバックグラウンドを多く持つ人たちが集う場所です。そんな多様性あふれる場所に、弊社も何か価値を創造できないかと検討していたときに、長年地元の方々に愛されていると同時に、現在全国的に年代問わず注目が集まっているサウナを組み合わせて、新しい価値を提供できるのではないかと考えました。
地域全体が盛り上がっていくのは良いことですね。
そうですね。「浅草を活性化させたい」と「サウナ業界を盛り上げたい」という想いを掛け合わせて、新しい価値を創造していければと考えています。Pint の名称の由来には、「背筋がピンとする」、「目のピントが合う」、「ピンとくる(ひらめき)」、「ピン(おひとり様)で来ていただく」、「浅草の街にピンを立てる」とさまざまな意味を込めています。特に、地域の方々と一緒に街を盛り上げていくことは、企業として非常に重要なポイントだと思っています。具体的には、浅草の人力車のコースにPintを盛り込んでいただき、街と共により多くのお客様に楽しんでもらうというオペレーションで運営したりと、創意工夫をしている最中です。現在スタートしているのは、サウナ後の外気浴がてら人力車で浅草を周遊するプラン。旅とサウナの相性はとても良く、気分転換として多くの方に利用いただいています。今後も、宿泊と組み合わせたプランなども展開予定です。人情味あふれる浅草の街で、Pintもその一部となれれば、これほど嬉しいことはありませんね。
施設について詳しく教えてください。
Pintは、サウナを知り尽くしたサウナ通の方にも、サウナに興味を持っている未体験者の方にも、自分らしく安心して自由に時間を過ごしていただけるようになっています。ストレス過多の現代社会で生きる皆様に、ココロとカラダをリセットして本来の元気な自分に戻っていただきたいと考え「 Well-being(ウェルビーイング)」を意識した各種セルフケアサービスを提供しています。
個室サウナは、29室(男性18室、女性11室)を設置し、フィンランドのSAWO社のサウナストーブを採用、フィンランド式セルフロウリュを体験できるようにしました。どの個室も寝そべりながらサウナを利用しても余裕があるので、自由な体勢でご利用いただけます。2段ある座面の高さも男性個室と女性個室では高さを変えるなど、居心地の良い空間となるようこだわりました。
Pintリセットフロアでは、嗅覚と視覚で感じる「アロマルーム」や、ヘッドマウントディスプレイをつけずに日本と世界の名所に行った旅行気分が味わえる「VR体験」など、没入感を体験できるスペースも用意しています。ちょっと一息入れたい時の「休息カプセル」や「瞑想ルーム」など、おひとり様用個室もお客さまにご好評いただいていますね。施設設備だけでなく、Pintスタッフが、サウナの入浴方法、“ととのう” 体験を実感していただくためのアドバイスやお声掛け、館内に手作りの案内を設置するなど、初心者の方が利用されてもわかりやすいように環境を整えています。
実際に運営する中で、苦労されたことはありますか。コロナ禍の影響などについても教えてください。
運営する前に、スタッフと綿密に話しあい、「自分たちが目指すべきPintとは何か」「お客様に楽しんで利用いただくためにはどうすべきか」を共有し、トレーニングを行ってきました。それに加え、サウナ好きなインフルエンサーや、メディア関係者などを招き、サウナ体験会を繰り返すことで、自分たちだけでは気づかなかった改善点を見つけることができました。サウナ室や施設・設備等のハード面、システムに関しては、予約から当日の処理、館内との連携も問題なく稼働し落ち着いて営業をスタートできたので、大きなトラブルは無かったように思います。一方で、まだまだお客様から学ぶことも多く、Pintの利用システム(サウナ利用75分、滞在105分)を、お客様へのご説明やご理解いただくのに苦慮する場面もありました。 スタッフにおいては、日々の検温や体調管理はもちろんのこと、熱いサウナ室内でもマスク着用の上で作業しなければならないなど、通常のオペレーション以外で苦慮する場面が多々ありました。いずれも苦労と感じることは少なかったのですが、新しい生活スタイルに併せた運営方法は日々勉強し、運営に反映させている段階です。
導入されたHOUSEIのシステムや、HOUSEIメンバーについて、どのような印象をお持ちですか。
「予約サイト」「フロントシステム」をはじめ、館内に設置している100を超えるデバイスの管理システムの構築を行っていただき、開業以来 いずれもスムーズに稼働しています。システム自体の操作性も非常に良く、アルバイトスタッフ含め全スタッフが問題なく操作できています。店舗の運営方法や作業手順などのヒアリングも実施いただけているので、現場の声をダイレクトにお伝えできる環境も整っており、非常にありがたいですね。メンバーの印象も非常に良く、打ち合わせの際や来館時の対応の際も、好感を持っています。お恥ずかしい限りですが、システム関連の知識が疎い私へも、どういう仕組みなのか丁寧に説明していただくこともありました。システム開発という技術面だけではなく、相手に寄り添う、まさに「ホスピタリティマインド」も持ち合わされているのだなと感じています。一緒にPintで働いていただきたいほど、安心してご対応をお願いできていますね。
今後の開発についても、私たちの要望を伝えつつ、HOUSEIの皆様と共に具現化できればいいですね。具体的な動きとしては、サウナ施設としての稼働アップを目指した販売戦略・販売促進活動に力を注いでいきたいと考えています。さまざまな販売シチュエーションを想定しており、都度対応できるようなシステムを実現していただけると幸いです。一方で、ユーザー側の操作性も大切にしているので、お客様が使いやすい予約サイトや、館内システムをより意識してもらいたいですね。
今後の展望について教えてください。
Pintがストレス過多の現代社会で生きる皆さんにとって、「ココロとカラダをリセットして、本来の元気な自分に戻れる場所」になれるよう、より多くの方々にご来館いただき、Pintの良さを知っていただきたいと考えています。 ゆくゆくは、他のサウナ施設利用も促進するなど、昨今のサウナブームを “ブーム” だけで終わらせることなく一緒に盛り上げていきたいと強く思いますね。具体的な活動としては、毎月最終金曜日には初心者向けのレクチャー付き「産湯体験イベント」を実施しています。初心者の方が初めて入浴されたサウナ施設のことを、サウナ業界では「産湯(うぶゆ)」と呼ぶんです。Pint自体が、産湯として多くの方に馴染みを持ってもらえるようになりたいとも考えています。もちろん、サウナ通にも楽しんでいただけるようなイベント・企画販売を準備しておりますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。これからも、浅草とサウナ業界のために奔走していく次第です。