どのような経緯で黒枠広告・文字広告制作ツール「Kalo」を導入されたのでしょうか。
もともとHOUSEIには、広告システムを長らく担当いただいていました。その際、営業の方からヒアリングを受けたタイミングで、私たちが活用していた既存の文字広告システムに関してご相談したのがきっかけでした。HOUSEIチームから「ぜひ私たちに開発させてください」と返事をいただき、システムを一から構築してもらう流れになったのです。費用面を抑えたいという要望も叶えられるということもあり、開発を依頼しました。継続してお付き合いもあったので、細かい指示やお願いを伝えなくても先回りして対応いただけることも多かったので、大変助かりましたね。
システム導入までの流れはいかがでしたか。
コロナ禍ということと、HOUSEIにとって初めてのシステムということもあり、開発は長い時間を要しました。約2年半かけ、ようやく形になりました。当時はリモートでやり取りすることも多く、細部の調整などのニュアンスを伝えるのが難しいところもありましたが、何とか形にすることができました。システム実装の際には、旧システムを同時に稼働させることで、大事に至らないように注意を払いながら対応しました。やはり新しく開発されたばかりということもあり、予期せぬトラブルや難しい局面も多くありました。しかし、私たちもこれまでさまざまなシステムを導入してきた経験がありましたし、HOUSEIの担当にも柔軟に対応いただくことができたので、結果的には良かったと思います。
実際に導入されてから変化したことはありますか。
新聞制作の工程の中で必要不可欠な文字広告は、小さいスペースに文字を配置する「小組(こぐみ)」の作成作業が発生します。小組の作成は、従来のシステムはオンプレミスで、会社の指定端末でしかできませんでした。一方「Kalo」は、ネットワークが使える環境であればどこでも稼働できるクラウドシステムです。導入後の一番大きな変化は、出社しなくても在宅勤務で作業できるようになったということです。また、各代理店様とのデータのやり取りに関しても、以前は専用の回線を用意し、指定の端末から作成するようお願いしていましたが、「Kalo」を導入してからはその必要もなくなりました。代理店様側にもメリットを感じていただけているのではないかと思います。実は開発前に、コストを抑えたいと相談したところ、サーバー維持費用や保守費用がいらないクラウドを提案されたので了承したのですが、結果として効率化の実現や働き方改革にもつながったのは、副次的なメリットだと言えます。もちろん制作自体に関しても、滞りなく稼働しています。
「Kalo」について、今後期待することを教えてください。
「Kalo」には効率的に小組作成ができるように、基本のテンプレートが登録されているのですが、欲を言えばそのテンプレート自体を、自社で作成して登録できるようになればより汎用性も高くなると考えています。パターンは各メディアで異なるので、カスタマイズして登録できるテンプレート機能があれば、システムとしてもより多くの方のニーズに対応できると思います。HOUSEIはさまざまなシステムを展開していますし、技術面で非常に心強いです。相談すれば何かしらの形で応えてくれるので、これからもいろいろな側面で期待しています。
今後の御社の展望についてぜひ教えてください。
会社の方針としては、数年前から取り組んでいるDX(デジタルトランスフォーメーション)を継続して促進させていきます。スポーツ新聞としての歴史を守りながら、ウェブコンテンツの拡充も図る私たちは、双方向の付加価値を築くためにも、さまざまな観点から新しい技術を活用していく必要があると考えています。社員もDXパスポートを取得するなどして、根本的な知識の部分も根付かせています。一方で、さまざまなシステムを導入すると、大変になってくるのはその管理方法です。例えば、すべてのシステムを一括管理できるポータルサイトのような管理体制があればいいですよね。DXは、あくまでもツールを活用し、物事の滞りを無くすための手法ですので、やみくもにデジタル化を進めた結果、複雑化してしまってはいけないと考えています。将来的にそのようなご相談もできればと思いますので、これからもITパートナーとしてよろしくお願いいたします。
株式会社スポーツニッポン新聞社のホームページはこちらです。