御社について概要を教えてください。
私たちは、日販グループのIT分野を担当する会社で、ホールディングスを含めた各社のDX推進を図っています。主となる事業の一つに、本の仕入れや物流を司るシステムの開発・保守・運用があります。そのほか、日販グループ以外のお客様に対してクラウドネイティブ開発、出版ソリューションなどの販売も行っているシステム会社です。
出版社システム「CONTEO」について教えてください。
以前より、書籍の販売管理システムである「出版社システムLEAD(リード)」を提供してきた私たちですが、昨今の出版業界の目まぐるしい変化に対して、抜本的な打開策となるシステムの提供が必要であると考えていました。ご存じの通り、現在は紙書籍に加え、電子書籍などのデジタルコンテンツ、グッズ、版権など「出版」の領域は広がる一方です。既存の販売管理システムでは、コンテンツや販路ごとにデータが分かれ、管理の複雑化が問題視されていました。新たな管理対象が増えるたびに、異なるシステムを導入する必要があるケースも多く、都度コストなども発生してしまいます。そこで、コンテンツの販売管理を一元化できるクラウド型出版社システム「CONTEO」の提供を開始したのです。
「CONTEO」は、変わりゆく出版業界に適応し、ビジネスの拡大と業務効率化を図ることができるシステムです。例えば、紙の出版物から派生した電子書籍などの販売データを版権と紐付けることで、関連するコンテンツ単位での販売管理が可能になります。今まで管理が煩雑だった、各コンテンツの印税管理なども一括管理ができますよ。そのほか、コンテンツ別や販売チャネル別での売上分析ができるので、マーケティングにもデータを有効的に活用することを実現しました。
協力会社にHOUSEIを選ばれた理由は何でしょうか。
CONTEOプロジェクトは大規模なプロジェクトですが、日販グループのシステム管理やお客様の案件なども多くあったため、弊社による単独開発ではなく、協力会社を入れ一緒に作り上げていく方針となりました。内容も複雑化することが想定されたため、課題やトラブルの発生も多くなるだろうと予測していました。ですので、協力会社には、解決に向けたコミュニケーションが取れるということ、最後までやり切っていただけることを条件としていました。すでに採用している技術との親和性が高かったということや、以前から会社同士のコミュニケーションがあったこともあり、HOUSEIを選ばせていただきました。
「CONTEO」に関して、お客様の反応はいかがでしょうか。
まだ導入されたばかりの企業様も多いですが、システムとしての評価や機能的には満足いただいています。一方で、長年使用している既存のシステムとの違い懸念されるお客様もいらっしゃいます。慣れ親しんだやり方から新しい方法に変更するのは大変なことですが、今後を見据えたシステムだからこそ、今導入いただく必要性があることを真摯に伝え続けていく必要があると考えています。
HOUSEIに対しての印象や、今後期待することを教えてください。
やはりトラブルなどは多々起こりましたが、その都度対応いただき乗り越えてきました。最後までやり切っていただいたという点において、感謝しております。
期待する点においては、オフショアのメリットを感じられるような提案などを頂きたいですね。コスト面も、適正価格を維持できるように調整いただきたいところではあります。システムの拡張は今後も続きますので、これからも一緒に良いものを作り続けていきたいです。
今後の御社の展望についてぜひ教えてください。
直近では、「CONTEO」を使い一元管理をすることで、出版社・取次・書店が適正な在庫分配や、返品を減らすなどの対応を実現できるようにしていきたいと考えています。また、各所で保有するデータを活用し、売上予測などをたてることで、業界全体の効率化・活性化を図りたいです。
今後も、日販のITの根幹を担いがらも、既存のジャンルを超えた分野においてもサービスビジネスを積極的に展開して参る所存です。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
日販グループホールディングス(旧:日本出版販売株式会社)を母体とし、ITビジネスを展開する事業会社として、1978年に設立。日販グループの事業で培ったノウハウを基に、プロジェクトマネジメント、システムエンジニアリングで蓄積された高度な技術力と実装力を持つ。AIやロボティクス等の新しいテクノロジーを活用し、新たな顧客価値を生み出すソリューションの提案に注力するなど、多種多様な業界において、枠にとらわれない柔軟な発想でサービスを提供し続ける。