ーーまず、弊社との協業に至った経緯を教えてください。
東京エレクトロン 末政 様 昨年の展示会(感染対策 EXPO 東京)で私のほうから出展されていたHOUSEIさんにお声がけしました。HOUSEIさんは「WelcomID」を展示されていましたが、「もしよろしければうちと組み、両社の製品を連携させた新製品を作ってみませんか?」と。後日、弊社のサンプルを送らせていただき、話が具体的に進んだという流れです。
実際に弊社の「WelcomID」を展示会でご覧になって、どう思われましたか?
末政 様 非常に良い印象を抱きました。私もお客様から請われ、様々なメーカーの類似製品をリサーチしていたのですが、反応速度という点では御社の製品が一番速いと感じましたね。
エアータオル 小畑 様 「WelcomID」の安定性の高さにも惹かれました。スーパーなどのように幅広い世代が利用されるシーンでは、ケガのリスクが高まります。作りが適当で土台がしっかりしていないと、倒れてケガをする恐れがありますから。その点「WelcomID」はしっかりした作りで、安心できるポイントでした。
末政 様 弊社のオートディスペンサーのスタンドは、車椅子が乗り上げても問題ないように設計されているのです。場合によってはただ立てるのではなく、床面にアンカーを打って固定できるような仕様になっています。高さについても子供用と大人用の2段階調整ができるようになっていたり、子供がぶつかってケガをしたりしないように受け皿がすぐに外れるようにもなっています。
ーー一見シンプルな製品に見えますが、細かい部分で様々な工夫が施されているのですね。対応させていただいた弊社営業にはどのような印象を持たれましたか?
末政 様 HOUSEIさんとの出会いは展示会でしたが、こちらからの提案にも非常に前向きに対応してくれて。会場から小畑と二人で「良い出会いがあって、建設的な話し合いができたね」と話しながら帰った記憶があります。たまたま展示会でお声がけをし、このようなご縁が生まれたことはすごく良かったです。
小畑 様 ひとつのことに対して様々な角度のアイディアを持たれていて、そのアイディアを実現できる会社さんであるという印象を受けました。何か質問をしても「確認してみます」「今はまだ判断できません」と言われるケースが多いのですが、HOUSEIさんは質問に答えるだけでなく、アイディアも出してくれて、なおかつ実際に実現もしてくれる……そんな心強さを感じましたね。製品は売るだけではなく、その後のサポートが重要という点でも共感してくれて、「一緒にお仕事をさせていただきたい」と感じられました。
ーー今回の協業では、まず御社のアルコール消毒液オートディスペンサー「ピュアハイジーン」と弊社の顔認証端末との連携から始めるとお聞きしていますが、御社の主力製品である「エアータオル」(ハンドドライヤー)との連携についてはいかがですか?
末政 様 すでに弊社では「エアータオル」と「ピュアハイジーン」、自動ドアを連動させたソリューションを、衛生管理が求められる食品関連施設・工場向けに販売しています。ですので、今後そうしたソリューションと絡めた連携の可能性は考えていますが、現在のコロナ禍ではハンドドライヤーに対する世間一般のイメージがまだ回復しておらず、売上でも「ピュアハイジーン」のほうが大きく伸びている状況なのです。
ーーハンドドライヤーのイメージが回復していないというのは、風評被害のようなものですか?
末政 様 そうですね。2020年に感染リスクを高めるとして、多くの施設でハンドドライヤーの使用が一時停止されましたよね。弊社は研究機関に依頼し、「エアータオル」の使用によって二次汚染が発生するかどうか、菌がどの程度飛散するかどうかなどを検証したのですが、保菌者が使用した後に非保菌者が「エアータオル」を使用しても手の汚染は確認されませんでした。飛散についても感染の可能性は無いとのことでした(※1)。また、昨年4月には経団連のガイドラインも改定され(※2)、ハンドドライヤーの使用が正式に認められたのです。それにも関わらず、今現在となっても、多くの施設でハンドドライヤーの使用は再開されないままです。
小畑 様 お店にとってもハンドドライヤーの使用はメリットがあります。ペーパータオルはコストがかかりますし、捨てるにも結構な手間がかかります。環境負荷もあります。その点ハンドドライヤーはほとんど電気代がかかりませんし、メンテナンスもほぼほぼ不要です。ただ、お店の気持ちも理解できるんです。今のようにハンドドライヤーに対するイメージが悪化してしまうと、中には「なぜハンドドライヤーを使用しているんだ?」などとクレームを入れるお客様もいらっしゃるようで、せっかく客足が戻ってきたところで「余計なトラブルに巻き込まれたくない」とお思いになるのは当然のことだと思います。
末政 様 他店が使わないならうちも控えよう、そんな状態が続いているのです。日本以外の国では今でも普通にハンドドライヤーが使われているんですけどね。この件では国会議員さんがわざわざ謝罪に訪れたぐらいなんですよ、「ご迷惑をかけて申し訳ない」と(笑)。
ーーそうした厳しい環境下で、御社はどのような対策を取られているのでしょう?
小畑 様 一度世間に根付いてしまったイメージを覆すことはそう簡単ではありません。やはりお客様の意見をくまなく吸い上げ、製品のアップデートを通じて少しずつでも変えていくように心がけています。納得できる製品であればポジティブなイメージが浸透していくでしょうし、実際に少しずつではありますが、ここ最近はハンドドライヤーを使用されるお客様も増えてきた実感があります。
ーー最後に今後の展望について教えてください。
末政 様 現在は「ピュアハイジーン」の販売が好調で営業的には良い数字を出しているのですが、「エアータオル」が厳しい状況ですので、東京エレクトロンとしてはもうひとつ核となる製品、新しい製品を作りたいと考えています。お客様の要望を満たすことに注力し、メーカーとしてより良い製品を作りたいという思いが強いですね。
小畑 様 私は立場上お客様と接する機会が多いので、お客様の声を吸い上げて、より良い製品を作っていくことはもちろん、お客様に良い製品を伝えていく、お客様に良い製品を届けられる販路の開拓に励みたいです。エアータオルは東京エレクトロンの製品販売を主に行っていますが、今年はメーカー目線ではなく、エンドユーザーさんの目線に立ち、様々な製品・サービスを積極的に取り扱っていく予定です。
末政 様 働く楽しみというのは、行き着くところお客様の喜ぶ顔が見られるからです。評価や利益は後からついてくると思います。HOUSEIさんとの協業でもお客様を喜ばせられる画期的な製品が生まれることを期待しています。
※1 https://www.electron.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/06/2021Security-results.pdf
※2 https://www.electron.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/06/guideline.pdf